インプラントについて
~安全性の確立~
高い予知性
今日、インプラントの長期使用と安全性を確立したのは、 材料学の進歩と生体との関係を考慮したシステム作りを行った結果と思われます。
当院の実績は約20年ですが、このインプラントシステムは、 40年以上の機能実績が報告されています。
写真は、当院で30年前と23年前に植立したインプラントが混在し、現在に至った症例。
オッセオインテグレーション(機械的結合)
& バイオインテグレーション(化学的結合)
このインプラント治療の予知性を高めたのは、生体材料としてのチタンと、 1952年スウェーデンのブローネマルク教授によるチタンと骨が結合することの画期的発見にあります。
このことは、生体がチタンをあたかも身体の一部であるかのように認識し受け入れた(オッセオインテグレーション)と言え、 チタンがいかに生体に対し親和性の高いメタルであるかを示しています。 また、チタンは腐食せず無毒性で発ガン性もありません。
20年ほど前まで主流だったインプラントは、 生体がその材質を異物として処理した形での骨との接触(フィブロインテグレーション)で成り立っていたため、 予知性に乏しく世間からインプラントは駄目のレッテルが貼られるようになり、今は、殆ど使われていません。
その頃から、基礎研究および臨床実績を積み重ねてきた、 このスウェーデン発祥の理論が今日の数々のインプラントシステムの礎となり、 世界に広まり今日に至っています。
また、十数年前から、チタン表面にアパタイト(骨や歯の成分と類似の合成物) を吹き付けたタイプのインプラントも開発され、同様に予知性を高めています。
オッセオインテグレーション (機械的結合)
バイオインテグレーション (化学的結合)
教 育
今日、欧米の歯科大学ではすでに当たり前にインプラントを学びます。日本の各歯科大学でも、 インプラント診療科や講座を設置し、診療と教育にインプラント治療を積極的に採り入れるようになりました。