手術用器具の消毒にオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)を用いることは、殆どの医療機関で主流となっています。135°Cの高温高圧によりすべての細菌・ウイルスを完全に死滅させます。欠点は、135°Cの高温に耐え得る器具にしか使用できないこと。また、従来型ですと滅菌乾燥に30分程度の時間を要することです。
当院では、口腔内で使用する基本セット(ミラー、ピンセット、歯石除去チップ)、歯型を採るトレー、外科手術器具等々は、全てオートクレーブで滅菌し使用しています。
注射針やメスの刃は、全て使い捨て(ディスポーザブル)を使用しています。
問題は、従来のオートクレーブでは、30分もの時間がかかることです。現実問題として、30分では当院診療システムでは不可能です。そのため当院では、別に眼科でも使用している小器具の滅菌に適した小型のオートクレーブ(STATIMS)を20年前から導入しています。これは3分で滅菌完了なので全ての患者さんに対応できるのです。
ドリルには、スチール製か金属の心棒に人工ダイヤの粒をまぶしたものがあり、使い捨てはありません。使用後は、超音波洗浄機で削り粉を取り除いたのち、薬液(ディスオーパ)で滅菌しています。
この薬理作用は、細菌・真菌に対して5分以内で殺菌効果、ウイルスに対して5分以内に不活性化しますので、10分以上浸します。感染の問題は全くありません。
▲ドリルバー(左)、ダイアモンドバー(中央)、滅菌用薬液 ディスオーパ(右)
当院の滅菌のルーティン
全ての外科器具消毒 | → オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器) |
ドリルを取り付ける柄の部分 | → STATIMS(小型のオートクレーブ) |
ドリル類 | → 超音波洗浄後、薬液に10分以上浸す |
メス・注射針 | → 滅菌済み使い捨て(ディスポーザブル)使用 |
ちなみに、口腔内で直接使用する薬剤で、瞬時に全てのウイルスや細菌を死滅出来るものはありません。強力な薬剤を使用すれば口腔粘膜に別の問題が発生します。
口腔内には700種類の口腔細菌が常在して、腸内細菌と同じようにバランスをとって健康を維持しています。これが崩れると口腔や大腸の健康を害します。
既に感染症に罹った患者さんの治療には、決められたチェア、専用の器具で診療を行なっています。
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横浜市青葉区青葉台の川原歯科医院