川原歯科医院  
川原歯科医院[横浜市青葉区青葉台の歯医者]

歯周病治療について

 
     
 

平成14年撮影
平成16年撮影

歯石が歯根部にまで至る


写真左上:平成11年撮影/写真左下:平成16年撮影/ 写真右:前回の歯石除去から定期検診を怠り5年ぶりに来院。歯石沈着が根端部まで達し抜歯を余儀なくされた。結果的には定期検診が医療費削減につながる

〜 関心のある方は最後までお読みください 〜

歯周病(歯槽膿漏)は、虫歯とともに歯科の「二大疾患」で、国民の80%以上が感染し、推定患者数6000万ともいわれ、歯を喪失する最も大きな原因であり、糖尿病、心臓血管系疾患、早期低体重児の出産等々のリスク因子となることも報告されています。

一般的には、殆ど痛みを感ずることなく進行し、気が付いたら歯が抜けていたり、歯科医院で突然に何本かの抜歯宣告を受けることもある怖い病気とされています。

多くの方が、高齢になると歯は抜けるものと思い込まれていると思います。
90歳を過ぎても28本の歯が全て残って何でも食べられて元気に来院される患者さんが何人もいらっしゃいます(健康な歯肉を維持しておられる患者さん)。これは、特別なことでも珍しいことでも有りません。
歯周病は、遺伝的要因はゼロでは有りませんが、基本的には、糖尿病と同じように生活習慣病と思って下さい。
病気ですので予防することも可能です

歯周病とはどの様な状態か

歯周病には、歯肉が炎症を起こして腫れている歯肉炎と、歯肉の下の歯を支える骨まで破壊されている歯周炎の二つに分かれます。

健康な歯肉

健全な歯肉の歯周ポケットは、2mm以下です。

歯肉炎になるまで

歯周病の原因は、プラーク(歯垢)です。
プラーク(歯垢)、歯石が上皮性付着を破壊。これにより歯周病菌の侵入が始まり、炎症とポケット形成が進行します。さらに病状が進行すると、結合組織性付着が破壊され、歯槽骨の吸収が始まります。


歯肉炎は原因が無くなれば治りますが、歯周炎は原因を無くすことで進行を止めることは出来ても、(再生療法はありますが)溶けた骨を本来の高さまで復元することは出来ません。
それでも、歯・骨・歯肉の位置関係をリセットし、歯周組織の健康状態を取り戻すことが出来ます(歯周病が進行したら)。これが歯周病治療のゴールであり、この状態を生涯にわたり維持する為の口腔ケアのスタートでもあります。

生体の構造

人間の身体の全表面(口腔粘膜も含め)は、上皮で被われ内部環境を一定の状態に保ち続けようとする恒常性(ホメオスタシス)機能を持っています。傷口が無ければ細菌の侵入は有りません。歯と歯肉は、貝柱の様に緊密に付着し(デスモゾーム付着)プラーク(歯垢)の侵入を阻止しています。

【口腔内常在細菌について】

口腔内には大腸内と同じく、その環境に適応した常在細菌が存在し複雑な相互作用によりそのバランスを保ちながら、常在細菌以外の細菌の増殖を阻止すると言う重要な役割を担っています。
700種類を超える口腔細菌を全てあるいは特定の細菌だけをピンポイントで、口腔粘膜に影響なく死滅させる薬剤は有りません。逆に、バランスが崩れ様々な感染症の原因になります。
口腔内手術の前には、歯の周りに付着した細菌の塊である歯垢を徹底的に取り除くのですが、この状態が口腔にとってのベストな除菌です。口腔粘膜以外の手術部位の消毒とは違います。

歯石の成り立ちと歯肉への作用

口腔内には、水分があり口腔内細菌があり栄養分(食べかす)と適度の温度が存在します。 これは細菌培養器の中と同じです。
食事をすると食べかすが歯の表面に付着します。食べかすには栄養があるので、口腔細菌はそこに集まりそれを食べて(分解して)増殖します。こうして数を増やした細菌が歯の表面にべったりと付着したものをプラークと言います。歯を磨いても落としきれずにプラークが残った状態が続くと、プラークに唾液中のカルシウムやリンが沈着して歯石になります。
生ごみを放置するとどうなるでしょうか。時間とともに細菌による腐敗が起こります。
この生ごみが腐った状態は、口の中でも同じように起こると言うことです。

歯石は、細菌のサンゴ礁の様なもので、表面はザラザラと尖っていて歯肉ポケットの内面を傷つけ細菌や細菌が作った毒素が傷口から毛細血管内に侵入することで炎症を引き起こし、歯に付着した歯肉が剥がれ出血や腫れ等の不快症状が表れます。


生体の防護機構

生体には病気を引きおこす病原性細菌が身体内部に侵入するのを防ぎ、侵入した場合にはそれを殺滅するためのさまざまな防護機構が備わっています。
免疫は強力な防御機構であり、歯周ポケット内の炎症が歯を支えている骨(歯槽骨)に波及する前に破骨細胞が出て来て骨表面を溶かすことで炎症部から距離を置き骨を守ります。しかし、結果的に歯周ポケットは、更に深くなり深部までプラークや歯石が形成され炎症が更に進行する悪循環に陥ります。
歯根の先まで骨が溶けることで歯は自然に抜けて歯周病から解放され生体は防御されますが歯は失います。これを防ぐには浅い歯周ポケットの段階で手を打つ必要があります。

歯周病菌が骨を食べると思い込まれている方も居られますので、骨吸収のメカニズムを記しました。

歯槽骨吸収のメカニズム

歯周ポケットが3mm以上になると歯垢が深部に蓄積し歯石も歯槽骨近くまで停滞。それにより破骨細胞が出て来て骨の吸収が始まります。 これ以上進行すると末期となり、歯根の先まで歯槽骨が溶けると歯が抜けてしまいます。

歯周ポケットの測り方


歯周病が進行したら

歯周ポケットが深くなった重症の歯周病は、深部にプラークが停滞し歯ブラシでの除去は困難です。そこで歯肉を切除してポケットを浅くする手術(歯肉切除術・歯肉剥離掻爬術)の必要があります。

重症の歯周病の手術後の歯肉の状態


一般的に外科手術は、病気の原因を切り取れば終了です。
ところが、歯周病の場合は、それだけでは終わりません。条件が揃えば直ぐに再発します
それでは、手術を行う意味がありません。
一回の手術で終了する為には、再発防止の術後の管理が不可欠です。

歯肉の手術について

歯周病の治療は、全て保険適用となっていますがルールがあります。手術を必要とする症例であっても初診から早い時期に手術することは出来なく手術可能な口腔環境に導く初期治療が優先され、更に術後の再発を回避する為の歯磨き(歯ブラシ、フロス、歯間ブラシ)のテクニックの修得が確認されるのを待って手術を行なう取り扱いになっています。
これは当然です。歯周病の緊急手術は有りません

歯科衛生士の役割

この手術可能な口腔環境を作りだすのが歯科衛生士の専門の仕事です。

歯周病をまねいた原因は、長期に亘り正しい歯磨きの励行や歯石除去を含めた定期健診等の生活習慣の怠慢です。
それ故、患者さんは歯周病の予防知識と正しい歯磨きの技術を身に付け実行すれば、歯周病は何も怖いことはありません

一生自分の歯で食べることが出来るようにするのが、我々歯科医の使命であり、それを実現するには歯周治療をベースとした虫歯や義歯やインプラント治療でなくてはなりません。

手術その他で改善された歯周組織は、歯科医師だけでは長期安定を維持することは困難です。
歯科医と歯科衛生士との連携と、患者さんの自覚なしに目的を達することは容易ではありません。
それを実現する為に、当院では7名の専門の歯科衛生士が、常勤しています。
歯科衛生士は、3年間の教育を受け歯石除去や歯口清掃等々の口腔ケア専門の国家資格を有し、歯科医師以外で唯一口腔内へのアクセスが法的に認められています。

当院では、殆どの症例で、担当の歯科衛生士が患者さん一人一人に合った歯ブラシ指導・プラークコントロール(歯垢除去)・歯石除去・PMTC(professional mechanical tooth cleaning/専門家による機械を使った歯面清掃)を早い時期から治療と並行して実施しています。

当院では基本的には、口腔の清掃を行なうことなしに、その日の治療に入ることは有りません。
前述しましたように全ての治療が終了した時点から、患者さん自身が口腔ケアの重要性を認識し実行し続けて頂くことが大切で、その積み重ねが高齢になった時に必ず活きてきます。決して難しいことでは有りません。継続は力なりです。

当院では、定期健診時のプラークコントロール、歯石除去、PMTC、歯肉マッサージ等は、毎回、担当の歯科衛生士が行なっていますので、前回の健診以降の歯肉の改善状況など微妙な変化も正確に捉えることが出来て、個々に合った的確なアドバイスも可能と思っています。

口腔ケアによるプラーク(歯垢)の除去は、虫歯や歯周病などの口腔疾患のみならず、全身疾患(感染性心内膜炎、心筋梗塞、肺炎、早産や低体重児出産)の発症を抑えることも報告されています。

1本の歯を残す技術は、歯科医にしかできない技術であり、喜びでもありますが、それは歯根治療と歯周治療のレベルで決まります。
因みに、インプラントは、世界的に認知された優れた治療法でありますが、天然の歯と同様に口腔ケアの重要性に全く関心のない人にインプラント治療を行なうのは如何なものかと思いますし、残せる歯まで抜歯してインプラントを行なうことは、正しい歯科医療行為では有りません。

当院歯周治療の流れ

  • レントゲン写真から骨の吸収量、吸収の形、骨の緻密度
  • 歯周ポケットの深さの測定  測定時の出血の有無
  • 歯肉の色、歯周ポケットからの排膿の有無
  • 歯の動揺の程度、咬合圧、咬合痛
  • 歯磨きが励行されているか否か(生活習慣の確認)
  • 歯ブラシが正しく使われているか否か(歯垢の付着部位と量の確認)

歯周病は、初診日に上記チェックにより正確な診断が出来きた後に治療方針が決定します。
前述しましたように、自分の歯を自分で完璧に磨けない患者さんに歯周治療を先に行うことは、決して良い結果に結びつきません。 歯の周りに歯垢が付着して汚染された口腔環境の中で僅かな歯石除去でも歯肉の毛細血管を傷つけることになります。出血が強い場合は、歯ブラシの選択と歯磨き指導のみで治療をスタートします。歯肉の炎症が治まった後に、歯石除去を行ないます。

口腔ケアの重要性

当院では、原則として治療前に歯磨き指導を行なった後に、歯周治療をスタートします。 その結果、歯周病に対する意識が高まった患者さんは、術後の管理も出来ますし再発することは有りません。
後は年に3〜4回の定期検査で、自宅で100%磨けなかった部分を歯科衛生士が特別の器具を用いて清掃することで、歯周ポケット内に出来たバイオフィルム(細菌が産生する粘液等が作る膜状の集合体)を殆ど取り除きます。次回の検診まで時間稼ぎが出来て安心ですし、これは、生涯続けて貰いたいと思っています。

また口腔細菌が高齢者の誤嚥性肺炎の原因となる調査・報告がされています。
口腔清掃を積極的に取り組んでいる老人ホームとそうでない施設では、明らかに誤嚥性肺炎での死亡率に違いがあることが知られています。
そのことが、世界で知られたことで、最近では、口腔ケアの重要性を理解している一般病院から手術の前後に口腔ケアの依頼が歯科医院に来ています。
手術後の経過に重要な役割を果たすことが漸く医学会で理解されるようになりました。

 
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