川原歯科医院  
川原歯科医院[横浜市青葉区青葉台の歯医者]

顎関節症について

 
     
 

顎関節症

あなたは、下記の症状を一つでも自覚したことがありますか。
ひとつも当てはまらない方は、この文章を読みすすむ必要はございません。

● 歯、顎のまわりの症状

  • 口を大きく開けることが出来ない。
  • 口を開くなど、顎を動かそうとすると、顎の関節あたりで音がする
  • 顎の関節あたりに違和感がある。
  • こめかみが痛い。
  • 正しい噛み合わせの位置がわからない。
  • 苦しくて口をじっと閉じていられない。

● 日常生活で気づくこと

  • 歯ぎしりがひどい 就寝中くいしばっている
  • 歯並びの乱れが気になっている
  • 鏡で見てもわかるほど顎がずれている
  • 唇が左右対称でなく口紅を塗る時に修正が必要。
  • 左右どちらかだけ鼻の横のシワが目立つ
  • カバンが左右の肩のどちらにしかかけられない
  • いつも左右どちらか決まった側で頬杖をつく癖がある。
  • 昼間眠くてしかたがない。
  • 集中力がない。
  • 無意識のうちに歯をぎゅっと噛みしめている

● 身体の不調がある

  • よく偏頭痛がある
  • 首のあたりに痛みを感じることが多い。
  • いつも肩がこる
  • 耳がつまったような感じがする
  • 片方の耳が痛い
  • めまいがする
  • 目の奥が痛い
  • 手や足がしびれる
  • 腰痛がある。
  • 胃腸の調子がわるい。
  • ずっと気持ちが落ち込んでいる。

あご・口のまわり・歯・噛み合わせに何らかの自覚症状を感じた患者さんは、最初に歯科医院を受診しますが、身体に不調を感じる患者さんは、整形外科か脳神経外科や整体治療院を最初に受診するのが一般的です。

特に手足のしびれやめまいなどの場合は、迷わず脳神経外科を受診します。

勿論、それは正解だと思いますが、その中にCTやMRIの検査をしても全く異常なしと医師から告げられ途方に暮れて来院される患者さんが結構いらっしゃいます。

私は、問診の結果、顎関節症状に酷似した症状がある患者さんに対し、その症状が噛み合わせが原因であれば治りますと告げます。

* 図をクリックすると拡大できます。

下顎と上顎の歯が水平的にも垂直的にも一致している状態。
【図1】下顎と上顎の歯が水平的にも垂直的にも一致している状態。

下顎が左側に傾く噛み合わせ例。
【図2】下顎が左側に傾く噛み合わせ例。

図2の噛み合わせ例を左右両側面から見た状態。
【図3】図2の噛み合わせ例を左右両側面から見た状態。

脳神経や頚椎や胸椎や腰椎などに問題があるものや顎関節そのものに器質的異常が認められるものは、当院では治せませんとハッキリと言います。私の経験から、来院される患者さんの90%以上に咬合(噛み合わせ)異常が認められますが、顎関節そのものに器質的異常を抱えた患者さんは極めて少なく、その場合は、信頼できる専門病院を紹介してきました。

なんで噛み合わせを治したら症状が消えるのか、疑問を感じられると思います。

重い頭を支えているのは、大黒柱のような太い骨ではありません。背骨を作っているのは、7個の頚椎・12個の胸椎・5個の腰椎・仙骨・尾骨の26個の骨です。その26個の骨は、横から見るとS字状のカーブを描いて重なっています。その背骨がしなって皿回しの棒のように頭のバランスをとって人は二足歩行をしています。

そのバランサーが下顎です。

下顎は、左右の上顎の関節部で関節包という靭帯組織でつながり、顎を動かす筋肉の緊張がゼロになれば重力の方向にぶら下がります。この時、背骨は前から見ると真直ぐになっています。直立の状態です。全ての筋肉のバランスが取れています。

噛みしめた時、この下顎の歯と上顎の歯が水平的・垂直的に一致すれば、全身の症状(肩こり・偏頭痛・頸の痛み・・・)が消えます【図1】。一致しなければ、上顎の歯に沿って下顎が前後左右上下にズレます【図2】【図3】。それにより重い頭もズレます。それを補正するため頚椎や胸椎や腰椎をねじることで重力に逆らわない姿勢をとります。このねじれによりバランスの取れていた筋肉に左右差ができ、一方の筋肉に疲労が蓄積し様々な症状の原因となります。

左右の高さの違う下駄を履いて歩くことを想像していただければ理解できると思います。

真直ぐ歩くためには、首や背骨をねじっているはずです。

この状態で、何年も過ごして何も問題が起こらないと言えるでしょうか。


噛み合わせに問題があると背骨を曲げてバランスを取ろうとする

噛み合わせに問題がある例1

【図5】噛み合わせの低い側が低くなる。頭が左に傾く左右の瞳孔は傾斜している。

噛み合わせに問題がある例2

【図6】瞳孔線を水平にするには背骨を曲げなければならない。

噛み合わせが正しくバランスが取れている状態

噛み合わせが正しくバランスが取れている状態

【図4】下顎の重力の方向と背骨が一致する。左右の瞳孔は水平。


噛み合わせに問題のある患者さんには、そのねじれを最小限にするためには、マウスピースを装着し調整を続け筋肉のリラックスを待って、最終的には数ミクロン〜数十ミクロンレベルの噛み合わせ調整や歯の形の修復などの精度の高い治療が必要です。簡単ではありません。症状により、治癒の時間差はありますが、根気の要る治療を積み重ねる必要があります。殆どは噛み合わせが原因です。

マウスピースだけを装着すれば、とりあえず症状は軽減されますが、それだけでは、再発します。

首や肩の筋肉は顎の開閉運動にも関与するため、顎の使い過ぎや頻繁な噛みしめにより、首や肩のコリが生じることがあります。

顎関節症は、精神的ストレスが原因で噛み合わせは関係ないと言っている、一派もあります。

先日の某テレビ局の「健康」番組の中で、某大学准教授が、顎関節症は、上下の歯の接触癖を取り除くトレーニングをすることで治癒すると話しておられました。
何もしていない時、人間の上下の歯は接触せず、本来歯は、会話、咀嚼、嚥下する時に瞬間的に触るだけで、1日20分以下ですが、上下の歯を触れさせたままの人がいるとのこと。上下を軽く接触させただけで口を閉じる筋肉は働いています。
接触時間が長時間になると筋肉が疲労する。口を閉じる筋肉が働くと、顎関節は押えつけられることになり、長時間になると関節への血のめぐりが悪くなり痛みが出るとの理屈です。
この発想は、上下の歯を噛みしめると、その圧力が顎関節(関節窩と下顎頭)に常に加わると思い込んでいるからです。
テコ作用の起こらない歯並びであれば、上下の歯が接触しても前述の通り咀嚼時と同様に圧力はゼロです。
圧が加わるとすれば、異常な噛み合わせがあるからです。
癖を治して異常な噛み合わせから逃れるより、歯が接触しても問題が起こらないような噛み合わせに治した方が再発もなく理にかなっていると思います。
当院ではその様な癖が全くないのに症状が出て来院する患者さんが大部分です。ただし頬杖の癖は、顎関節症の原因の一つです。この場合は、外力として作用し下顎頭が関節窩を圧迫しますので、この癖は止めるべきです。

噛み合わせ調整について

上顎に対して、その人にとって正しい下顎の位置で左右均等に歯が当たっていれば、極論として一本の歯に加わる圧力は、1/28です。最も歯にも骨にも顎関節にも優しい噛み合わせと言えます。

噛み合わせ調整は、足し算と引き算があります。 低い場合は、一時的に仮の被せ物や詰め物で下顎位を安定させることも有ります。

いずれにしても、下顎を理想とする位置に毎回誘導できるテクニックなしに、歯を削ることは百害あって一利なしです。 ましてや全ての症状の改善なしに最終的補綴処置(被せ物。詰め物)を行なうことは、慎むべきです。

実際、噛み合わせ治療は、根気よく100点満点に導かないと、良い結果は出ません。

噛み合わせの異常に関連する筋肉や神経に不快症状を引き起こす基本的メカニズムをイラストを使ってご説明いたします。

噛み合わせの異常が筋肉や不快症状を引き起こすメカニズム

噛み合わせの高い歯が支点となり、下顎頭が上下動する

【図8】シーソーの原理で噛み合わせの高い歯が支点となり、下顎頭が上下動する。下顎頭が関節窩を圧迫することで、関節痛、耳なり、難聴などの原因となる。
下顎を動かす種々の筋肉(咀嚼筋・側頭筋・その他)と関連する首・肩・背中の筋肉や、側頭筋・頭の周囲に張り付いている側頭筋(噛むための筋肉)に痛みを生じ、頭痛の原因となる。従って、噛み合わせのズレは許されない。

前歯と奥歯がシーソーの動きをする

【図7】この部分だけが他の歯より噛み合わせが高い場合、そこが支点となり、前歯と奥歯が図8のようにシーソーの動きをする。


下顎の位置

上顎と下顎は関節包で繋がっています

上顎と下顎は、関節包で繋がっています。

上顎に対し下顎がどの位置にあるかの分析が、顎関節症を治療するにあたり重要な役割を果たします。上下の歯の噛み合わせが下顎頭の位置を決定します。

本来、関節の位置にベストポジションがあり噛み合わせが悪ければ、下顎頭の位置もズレます。

治療法の基本は、そのベストポジションに導く噛み合わせを作ることです。

永久歯は、小学校時代に生え揃います。(永久歯列の完成)

歯は、時期が来ると歯肉を破って出てきます。永久歯は、子供の顎から大人の顎に成長する過程で、永久歯列の完成のために理にかなったタイミングと順番で乳歯と交代して出てきます。

上下の歯が出会うとお互いが影響し合って最終位置が決まり停止します。

1本1本の歯は、それぞれ個性を持った形をしていますので、28本の歯が均等な圧力で噛み合うためには、下顎が前後左右に動く(前方・側方運動)ことで、あたる部分が互いに砥石の働きをして摩耗して歯の形を完成させます(図9,10)。

歯の萌出

歯の萌出2

【図10】上下の歯の方向がズレていても、歯の斜面がぶつかり合い微調整され、正常な噛み合わせになる。

歯の萌出1

【図9】


噛み合せた時に下顎の位置が顎関節にとってベストポジションであれば、生涯を通じ問題が起こりにくいはずです。しかし実際には、ベストポジションの人は、極めて少ないのです。実際には車のハンドルの遊びのように僅かな幅があります。

自然な歯の生え変わりや、歯科治療(詰めたりかぶせたり)に不備があり噛み合わせが悪くなったとしても即、問題が起こることはありません。

生体には本来、身体を守るシステムがあり、噛み合わせの悪さにも適応できるようにリモデリング(骨の破壊と再生)を繰り返し顎関節の骨の形にも変化を与えたり、顎、首、背骨などの筋肉を過剰に働かせ、不快症状を回避しています

症状が出ないまま一生を過ごせたら、たとえ噛み合わせが悪くても何ら問題はなく、無理に治療する必要はありません。

身体は、どこかが悪ければ、必ず症状が出るとは限りません。

特に歯や顎の病気は、痛みや腫れなど全くなく経過することが殆どです。痛くないから悪くないとか痛いから悪い病気とは言えません。

それを慢性疾患と言い良性の疾患で生涯症状の出ないこともあります。

しかし、ある日突然に症状が出るのは、病気に身体が負けた時です。ストレスや疲労で免疫力が低下し生体の防御システムが働かなくなった時、顎関節症も発症します。

当院のマウスピースによる顎関節症の治療

私は、顎関節症治療のゴールを階段に例えています。 その階段の高さは、一人一人違います。5段の場合も20段の場合もそれ以上もあります。
マウスピースでの治療は、一段一段確実にステップアップし、下顎の位置変化と相関関係にある症状の微妙な変化を見逃さないことが絶対条件です
上記に挙げた27の症状全てにチェックの入る患者さんも年に数人はいます。
ステップを追うごとに数が減ります。ゴールはチェック数が0になり下顎の位置が安定しそれが持続するようになった時です。

当院のマウスピースによる顎関節症の治療

毎回のマウスピースと歯の調整の積み重ねです。
初診時に最初に行なうことは、上記症状のアンケート調査と開口量(何ミリ口が開くか)の測定です
40mmが基本です。40mm以下は、顎関節そのものに炎症がある場合で、口が開かない(開口障害)場合は、下顎頭と関節窩の間にある関節円板の位置異常(前方or後方転位)が原因ですので、その場合は、マニュピレーション・テクニックで下顎を掴んで復元します。

僅かにしか口が開き難い場合は、開ける時に疼痛があるので口を大きく開けることが出来ないのです。
噛みしめようとすると他の歯より早く当たる歯(早期接触)が存在し、そこを支点にテコの作用が発生し、歯から最も遠い位置にある下顎頭に増幅した異常な動きが起こり、その結果、下顎頭が関節円板を介して関節窩に圧が加わり、外耳道や神経線維の豊富な関節後方部を圧迫して耳鳴りや難聴やめまいや目の奥の痛みの原因となったり、顎関節痛を引き起こすことがあります
この下顎に好ましくない運動が発生しないような下顎の運動を誘導するマウスピースの形を作る必要があります。
それを装着することで、例え顎を動かしても夜中に歯ぎしりや喰いしばりが発生したとしても顎関節内に安静が保たれますので、消炎鎮痛剤に頼らなくても数日で痛みが自然に改善され、口が少しずつ開くようになります
これを待って本格的な治療の階段を登りはじめます。
ステップを確実に進めば、全身症状も少しずつ消えて行き、その後、階段を下りることはありません
ハッキリ言えることは、10段目の階段は、9段目があったから登れたのです。発症から来院までの時間が短いほどこの階段は低いことは間違いありません。この治療は、術者と患者がともにゴールを目指す根気強さが無ければ絶対に成功しません。受ける方はそんない辛い治療ではりませんが、最後まで諦めず自分の為に頑張って下さい。噛み合わせの微調整は歯科医にとっては息を止めて集中する辛い作業です

上記27症状に関しては、当院のスプリント治療で治癒または改善は可能です。
結論として、顎関節症の疼痛その他の症状の大部分は、下顎頭が関節部後方に入り過ぎることで生じますので、それを前方に引き出すことが基本で、最終的に不快症状を起こさない快適な位置に下顎が来るような噛み合わせにする目的で調整します
それ以外の疾患及び症状に対しては、当院のスプリント療法が有効か否かは、現時点では不明です。
更に、顎関節を作っている骨の表面が吸収(破壊)されたり新たな骨が作られたりしている変形性顎関節症は、CTやMRI撮影にて診断可能で、その場合は、信頼出来る専門病院へご紹介しています

顎関節症の権威で有名な日本歯科大学生命歯学部の小林義典前教授が30年ほど前の講演で、噛み合わせた時、他の歯より100ミクロン高い歯が1本でもあったら心身症になることがあると言われた言葉が未だに私の耳に残っています

当院ブログ掲載中の「顎関節症におけるマウスピース」の効果も併せてお読みください。

 
  ホームHPのコンセプト歯科治療とは大切なこと歯家医院紹介スタッフ紹介
歯科用CT診断装置マイクロスコープ根管治療(歯内療法)セレックインプラントについて
顎関節症について歯周病治療について長期安定について長期症例一覧歯周病治療症例
インプラント症例オールオン4症例オーバーデンチャー矯正症例審美症例
オールセラミック症例ホワイトニング症例接着ブリッジ症例究極症例料金について
保証についてアクセス歯科衛生士より
 
  写真提供 ozi design works
Copyright (c) 2005- Kawahara Dental Clinic.All Rights Reserved
医療法人社団 川原歯科医院■Tel.045-981-0418■横浜市青葉区青葉台2-12-11